◆お芝居情報◆

【放送日】2000/04/27  【お芝居】早合点も徳の内
配役出演者名
大工金太桜 金造
番人和吉えなりかずき
左官三次魁 三太郎
岡場所の女お重重田千穂子
琢兵衛の女房お由美野川由美子
岡場所の女お夏伍代夏子
町役人琢兵衛藤岡琢也
お江戸でござる オリジナルソング
曲名はなます酒場
作詞吉岡 治
作曲弦 哲也
伍代 夏子



●杉浦日向子のおもしろ講座●
江戸風俗研究家 杉浦日向子
加筆・補足 長尾武之介



◆本日の良かった点◆

●和吉のセリフ「世間話は湯屋の二階で・・・」
江戸では銭湯の事を湯屋(ゆうや)と言います。
上方では銭湯の事をお風呂屋と言います。
湯屋の二階は、みんなのサロンとして機能しておりました。

湯屋では、まず湯銭を八文払います。
更に八文支払えば、二階へ上がることができます。
更に八文払いますと、茶と駄菓子が自由に食べることができました。
(安政期頃 1855頃)
世間話で盛り上がったり、碁盤や将棋盤を出して一勝負!といった光景が良く見かけられたそうです。


●甘酒の造り方
「お粥にして麹をたして一夜酒」
と言いましたが、その製法もかなっていました。
初めの頃は四季を問わず売られていましたが、年が経つにつれて夏の季語としても使われるくらいの夏の物となりました。
暑気払いとして飲まれていたそうです。

甘酒には「酒」という字はつきますが、アルコールは含まれていません
ということで、二日酔いにはならないですね~、三次さん、金太さん。(^^;


●大江戸初夏事情●

■初夏の訪れをつげる躑躅■
今回の舞台は根津神社
6代将軍・家宣誕生の地です。
(家宣は5代将軍・綱吉の生類憐れみの令を廃止した事で庶民には人気が高かった。)

江戸名所図会 根津神社
江戸名所図会
新版 江戸名所図会 下巻』より
(鈴木棠三・朝倉治彦校註、角川書店、p120-p122、1975/1/10)

根津神社の絵です。
境内には、たくさんの躑躅(つつじ)が植えられていました。
根津、谷中、千駄木、大久保、新宿といった御家人の住まいの辺りには、躑躅の名所が未だに栄えております。

躑躅は初夏の訪れ
躑躅のピンク、赤、紫といった力強い色が、江戸っ子好みでありました。

■初夏の往来■
東都歳時記 初夏交加図
「東都歳時記 初夏交加図(しょかゆきかいのず)
東都歳時記2』より
(斉藤月岑著、朝倉治彦校注、平凡社、p4-p5、s45/12/10初版)

この絵に金太のセリフの中でも出てきた
「目には青葉 山ほととぎす 初鰹(はつがつお)
という山口素堂の有名な句が書いてあります。
この絵は江戸の初夏の風物を一つにまとめた絵です。
(絵の右上の拡大図)

山口素堂(やまぐち そどう) (1642~1716)
江戸前・中期の俳人。
松尾芭蕉と親交を結び、撰集「虚栗(みなしぐり)」に寄与した。

上の絵の夏の風物をいくつか抜き出してみました。

●初鰹売り●
初鰹売り 本当に高かった時は一両~三両もしました!
これは、住み込みの下働きの年収に匹敵します。
金持ちの人はあまり手を出さなかったそうです。
大工や左官といった金離れの良い人達が買いました。


●花菖蒲(はなしょうぶ)を手にしてる男性●
花菖蒲

●蚊帳売り(かやうり)
蚊帳売り 丸金という屋号がついておりますね。
これはたぶん蚊帳売りの中でのブランドだったのでしょう。

「もえぎのかや~」
という一声だけで半町(50mくらい)を売り歩きました。
つまり、それだけ長~く声をのばすわけです。
『これが言えないと蚊帳売りとは言えない』
という事で、往来に出て売り歩く前に稽古をしなければならない程でした。

羽織を着ているのが手代です。
担っているのが、アルバイトの美声の蚊帳売りです。


●菖蒲太刀(しょうぶたち)
菖蒲太刀 端午の節句に飾る木刀に金銀紙を巻いた物です。
縁起物とされております。
男の子が喜んで持ち歩いたりしたらしいです。
(子供達が駆け寄ってきてますよね。(^^ )


●苗売り●
苗売り アサガオの苗、キュウリの苗、茄子の苗などの苗を売って歩きます。
やはり美声の振り売りの商人だったそうです。


●兜市に行ってきた帰りの武士●
兜市に行ってきた武士 十間店の兜市(日本橋の近く)の飾り屋で買った兜をお供の方が持っています。


●船遊び●
船遊び 橋の下に、傘をさした人が船に乗っています。
四月頃から船遊びが始まります。


「東都歳時記2」に十間店の兜市について、次の様に記載されておりました。
時期:4月25日~5月4日
場所:十間店本町 尾張町 人形町
(場所は三月の雛市と同じ場所)
販売品:
・甲冑
・幟(のぼり)
・旗挿物(はたさしもの)
・馬印
・菖蒲刀
・長刀
・鎗
・弓
・武将勇士の人形 等

大名方・旗本衆・裕福な町方の方達は、前々から注文しておいてこの時期に届けてもらいます
十間店見世売は、裕福な方達以外の方々のもとめに応じるためにあるのです。
(つまり庶民の方々の為ということでしょうね。)

店先に品物を飾り立てあります。
「上物を求めんとならば、前々より注文し、金力をおしまざるにしかず」
とのアドバイスが一緒に書いてありました。
さぞかしこの市も多くの人手で賑わったのでしょう。

■江戸の暦上の四季■
初夏というと、夏の始めあたり頃を言います。
ですが今と違って、江戸時代は暦できちっと季節が分けられていました。

初夏といいますと4月になり、衣替えの時期だったようです。
東都歳時記に
四月朔日(ついたち)
「更衣(ころもがえ) 今日より五月四日迄、貴賤袷衣を着す。
今日より九月八日まで、足袋(たび)をはかず。單羽織(ひとえはおり)を着す。」
と書いてありました。
つまり、「裸足&薄着になった」ということです。

ところで・・・朔日とは「ついたち」って読むんですね。
この文字の読み方を調べる為だけに、国語辞典を引っ張ってきたり、単語検索で一字一字調べたりと・・・えらく時間かかっちゃいました。
漢字って難しいなぁ~。(^^;

お芝居の中で聞こえてきたほととぎすも、初夏の風物です。
「てっぺんかけたか~」
という鳴くほととぎす科の鳥で、初夏の風物でした。
山地や森など高い木の上で、高い声で鳴きます。
従って、江戸ではなく山の手の方でありました。
小石川白山(はくさん)あたりが初音の里と言われておりました。
(四谷やお茶の水あたりもほととぎすの声を聞くのに適した里だったそうです。)

ほととぎすは、俳人や文人墨客といった
「ほととぎすの声を聞いて一句詠むという人たち」
に好まれていました。
庶民の皆さんがたは、この時期は初鰹に熱狂中でした。(^o^)

こんな和歌が資料に載っていましたので掲載しておきます。
桜花 散れはすなはち ほととぎす 初音の里に 待たりけるかな
              井上定子 (江戸名所和歌集)


●出演者への質問●

【質問:】行楽のシーズンなどと言われていますが、皆さんのご予定は?

●伍代さん●
私は舞台ですね。
外は新緑のイイ季節ですのにね~、お仕事です。
●重田さん●
私、暇です、あはははははは。(^o^)
やっぱりつつじ見に行ったりとか~、ピクニックに行きたくなるんですよ。
【金】誰と行くんです?
一人で。あははははははは。(^o^)
【ALL】(大爆笑)(^o^)/
いいじゃないのよ~、一人で行くのが楽しいのよ。
●藤岡さん●
私も舞台にのっかっとりまして・・・皆さんに楽しんでいただきます。
5月6月日比谷の方で演っております。
●えなり君●
私も藤岡さんと同じ舞台で5月6月出させていただける事になっております。
でももしお休みだとしても・・・結局、連休って混むじゃないですか。
だから映画観たり、本読んだりしかやらないですね。
●杉浦先生●
私は船が大好きなんで、大きな船で太平洋渡ってこようかと思っております。
【金】先生はなんでそんなに船がお好きなのですか?
ボケ~~っと海と空、海と空を眺めているのが性に合っているんですかね~。
●野川さん●
私も舞台にのっかっております。
●魁さん●
家族持ち・・・子供がまだ小さいから大型連休はイヤッ!!
それだから毎年この時期は仮病を使うの。(爆)
【野】ここで言っては仮病にならないでしょ!(^^;
あっ、そうか!(゚o゚)
●金造さん●
私も一年の中でこの季節が一番好きですね。
こう、からっとしていてね。
ところがね~・・・夏よりもこの時期の方が紫外線強いんですよね。
だからね~、お肌の手入れを考えると・・・あぅぅ!!!!
・・・それでは、また来週~!!

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