◆お芝居情報◆

【放送日】2001/08/02  【お芝居】親の正体子知らず
配役出演者名
指物師の親方 金五郎 桜 金造
御用聞き 和吉 えなりかずき
指物師 三次 魁 三太郎
三次の女房 お重 重田千穂子
めし屋の女将 お由紀 由紀さおり
二郎吉の娘 おしの はしのえみ
指物師 二郎吉 坂上二郎
お江戸でござる オリジナルソング
曲名えなりかずきの子守唄
作詞つんく
作曲つんく
えなりかずき



●杉浦日向子のおもしろ講座●
江戸風俗研究家 杉浦日向子
加筆・補足 長尾武之介



◆本日の間違い点◆

●喧嘩の末に江戸所払いとなった二郎吉
「火事と喧嘩は江戸の華」
といわれるくらいですからね。
かなり頻繁に起こっていた様です。
そんな訳ですから、喧嘩に対しては結構寛容でした。
(火事(特に火付け)については話は別ですよ。こちらは重罪です!)

かなりの大立ち回りをしたとしても、それほど重い罪にはなりません。
相手が怪我をしてもせいぜい説諭で済みます。
与力に呼ばれてお叱りを受ける程度ですね。
そんな訳ですから、喧嘩で十六年の所払いは重すぎます。
説諭(せつゆ)
悔い改めるよう言い聞かせること

江戸所払いになる人は、たいてい常習犯です。
ですので、
「江戸には置いておけない」
ということになるわけで。
一度の喧嘩程度で所払いになっては、江戸人口が激減しちゃうでしょう。

江戸所払いを受けた人ですか、よく誤解しますが
「江戸に一歩たりとも入るな」
という意味ではありません。
『江戸に来ても大丈夫ですが、旅人扱い』
ということになります。
そうなると、いくつかの禁止事項が出てくるわけです。
所払いとなった者の主な禁止事項としては、
・長屋などを借りることができない
・手に職を持つことができない
等、かなりの制限を受けてしまいます。

ですので、長逗留はまず出来ませんね。
町の人の目もあることですし、派手なこともできません。
江戸(所)払い(えど(ところ)ばらい)
江戸幕府の追放刑の一種。
罪によって、追放される範囲、期間が異なった。



●大江戸夏事情●

■江戸の必需品 蚊帳(かや)■

『夏』 湖龍斎 画
図説 浮世絵に見る江戸の歳時記』より
(佐藤要人監修、藤原千恵子編、河出書房新社、p68、1997/11/10初版)


蚊帳および蚊遣りについての絵が他にありましたので、そちらも掲載します。

「蚊帳の母子」 (鈴木春信画)
浮世絵に見る江戸の一日』より
(佐藤要人・高橋雅夫監修、藤原千恵子編、河出書房新社、p104、(1996/6/25))


「蚊遣火」 (菊池貴一郎画)
江戸府内 絵本風俗往来』より
(菊池貴一郎著、青蛙房、p249、(S50/9/15))


江戸の町は、無数とも言えるほどの水路が走っておりました。
その為、夏場はまるで蚊の養殖場の中に住んでいるかの様な状況になります。
ゆえに、江戸の人たちは蚊帳(かや)を必ず持っていました。
薬効性のある植物を燃やして、蚊をいぶしだす蚊遣り(かやり)なども使っておりました。

同じ夏の間の納涼でも、上流階級と庶民では違っております。
●上流階級(大店など)
・麻の白い蚊帳
・波の模様などのぼかしをいれる
(視覚的に涼しさを演出)
・虫かごをつるす
(虫の鳴き声で音的に涼しさを演出)

●庶民(長屋住まいなど)
・つぎあての入った蚊帳(中古)

現代の様な扇風機、クーラーが存在しない時代です。
せめて気分だけでも涼しくなろうということだったのでしょう。


■様々な夏の風物詩■
現在手元に資料がありません。
手に入り次第、掲載いたします。
『夕涼市中の賑ひ』(三代歌川広重画)

上の絵は、幕末の夕涼の景です。
絵の中に様々な夏の風物詩が見られます。


【麦湯(むぎゆ)
むぎゆ店納涼
「むぎゆ店納涼」 (菊池貴一郎画)
江戸府内 絵本風俗往来』より
(菊池貴一郎著、青蛙房、p90、(S50/9/15))
熱々のお湯です。
「熱い盛りに熱いものを飲む」
ということだったのでしょう。

麦湯店は、夏の夜などに江戸市中に数多く出ました。
夜店の間に出す横行燈に「むぎゆ」とかな文字にて書いたものを出しています。
また「桜に短冊の絵」を書いた行燈もあったそうです。

化粧をした浴衣姿の少女が湯をくんで給仕しますが、一切色を使って人に媚びたりすることがありませんでした。
(この客に媚びない姿が名物にもなったほどとか。)

麦湯・くず湯・桜湯(?)・あられ湯だけを扱っており、菓子などもありません。
それでも客が絶えることがなかったそうです。



【ほおずき提灯】
ほおずき提灯
子供が抱えている提灯です。
夏の虫送りの行事に使われます。

(左図は下に掲載してある絵の一部分。)



【枝豆売り】
夜商人往来の賑ひ
「夜商人往来の賑ひ」(菊池貴一郎画)
江戸府内 絵本風俗往来』より
(菊池貴一郎著、青蛙房、p92、(S50/9/15))
枝豆売り
(拡大図)
赤ちゃんをおぶった中年の女性が商っています。
「あわれさは 枝豆売りに 首二つ」
という句が残っているくらいに、赤ちゃんをおぶった姿というのが定番だったのでしょう。
女性に限る売り物だったそうです。



【ところてん】
麻生一本松の景
「麻生一本松の景」 (菊池貴一郎画)
江戸府内 絵本風俗往来』より
(菊池貴一郎著、青蛙房、p82、(S50/9/15))
箸一本で食べづらいなぁ~と金五郎さんがぼやいてましたね。
これは、ところてんが
「食事ではなくお八つなので箸二本使うまでもない」
ということから一本で食べているのです。
こういう所からも江戸っ子の粋がりが伺えますね。


ところてんや
(拡大図)
ところてんやは、担い箱は格子にして箱の中を透かしてみせるそうです。
いかにも涼しげにみえるでしょうね。
さらに箱に杉の青葉で装い、醤油酢をいれる徳利の口にも杉の青葉をさしました。
売り声は
『ところてんやぁかんてんぁ』
とのこと。



【白玉】
炎天を荷ひうる商人
「炎天を荷ひうる商人」(菊池貴一郎画)
江戸府内 絵本風俗往来』より
(菊池貴一郎著、青蛙房、p102、(S50/9/15))

(拡大図)
冷たい水に白玉団子を浮かべて、それをすくって砂糖をかけて食べます。
(砂糖を山のごとく掛けて食べたそうな。(^^ )
売り声は
『ひゃら ひぁこい ひぁら ひぁこぃ』

こういった振り売り以外にも、町々の木戸際といった場所でも白玉水を売る店があったそうです。



【甘酒】
甘酒も夏の飲み物です。
夏の季語にもなっています。


【泥鰌鍋(どじょうなべ)
「夏の熱い盛りには精をつけるによい」
という為でしょう。
鰻などもありましたが、高価でしたので安いどじょうが好まれたのでした。


■納涼の定番 行水(ぎょうずい)
現在手元に資料がありません。
手に入り次第、掲載いたします。
『婦女風俗十二ヶ月図 六月行水』(春章画)

行水と桶、廻り灯籠が描いてある絵をみつけましたので、こちらを代わりに掲載いたします。

炎天を荷ひうる商人
「風流十二月ノ月 水無月」(歌川国定画)
浮世絵に見る江戸の一日』より
(佐藤要人・高橋雅夫監修、藤原千恵子編、
河出書房新社、p80、(1996/6/25))
様々なことで涼感を得ようとしていたわけですが、やっぱり夏は暑いです。
そんな時に一番手っ取り早い涼み方といえば、やはり行水でした。

たいてい普通の家では庭先で行います。
ですが、人の目があるということでしょう。
屋内にて行っている絵もよく見られます。
のぞきの絵もいっぱいありますしね。(^^; )


上の絵では、ぬるま湯をはった盥等を使っております。
「もう少し冷たくしたいなぁ」
という時に差し水を差す為の桶が横にありますね。
(『婦女風俗十二ヶ月図 六月行水』の絵には描かれているのですが、釣り忍まで吊してあります。
より良い涼感を感じることができます。)
釣り忍とは、現代でいう観葉植物です。
釣り忍(つりしのぶ)
根付きの草を束ねて、小型の鉢に入れ、軒などに吊して涼感を楽しんだ。


他にも様々な涼感をただよわせてくれるものが描かれております。
●パイプ暖簾(?)
パイプ型のものをつなげた暖簾です。
揺れた時に「シャラシャラシャラ」と涼しげな音がします。

【廻り灯籠】
廻り灯籠です。
(番組中に掲載した絵と上の絵は違いますが、ご了承下さい)
お盆の時などに飾られる物ですね。



当時は、扇風機やクーラーといった人工的に涼を作り出すものがありませんでした。
ゆえに、夏は暑いというのが常識なのです。
(今でも暑いですけど、建物内は涼しいですからね)
その暑さを、音や見た目・食べ物などといった様々なアイデアで乗り切っていました。


●出演者への質問●

【質問:】行楽のシーズンなどと言われていますが、皆さんのご予定は?

●はしのさん●
私~も、やっぱり夏は暑いものだと。
なので、夜寝るときはエアコンを止めて、汗をダラダラかきながら寝てますね。
●重田さん●
私は夏は大好きなので、暑い方が好きなので、冬は元気ないんですけれども、夏はすごく体調が良くて。
でも今はこれっていうのが無いので、昔、縁側で夕涼みしてて蛍とか飛んでたりとか・・・
あと星を見て話するとか・・・
そういうのもう一回やりたいなぁ~って。
【金】もう都会ではほんとにあり得ないですね~。
●坂上さん●
私もね、同じですよ。
クーラーとかはめったにかけないですね。
寝るまでいれて、後は汗びっしょりかく。
一日一汗っていうんですよ。
必ず一日一回汗を流すんです。
草むしりやったり、掃除したりして。
【金】だから元気なんですね~。(^^
それが健康の元なんです。
●えなり君●
あの・・・僕、体によくないかもしれないんですけれども・・・
ものすごく熱いお風呂に入って、その出た後にクーラーをつけて、クーラーの前でブワァっと。
【重】それ夜とか良くないよ~。
【坂】クーラーが一番喉に良くないんだよ。
あ、そうなんですか?!(゚o゚)
すぐやめます!!
【ALL】アハハハハ (笑)
●杉浦先生●
あ、う~~・・・非常にずるっこいんですが・・・
あの~・・・屋上で提灯いっぱいぶら下がっているところで枝豆にジョッキで・・・。
【ALL】うわぁ~!!(^^; (笑)
終わりっ。(^^
【金】なるほど、そうすると枝豆って江戸時代からずぅっと食べ続けられてきたんですね。
【坂】でも不思議だよね。なんで現代ではビールに合うんだろう?
お決まりですよね~。
【坂】お八つ代わりだったのかな~
●野川さん●
そうですね~・・・夏はいろいろありますけど、やっぱり花火ですかね~。
もう爽快ですよ~。
やっぱりドォーンとバッって・・・これがね~。
そして、枝豆ですね。(^^;
【ALL】(笑)
枝豆にね?茄子の漬け物ね。
キュウリにトウモロコシ。
みんな食べるとお腹こわします~。
●魁さん●
【金】お父つぁん。(^^
【ALL】お父つぁん。(笑)(^^;
お父つぁんはね。(^^
もうクーラーなんか使わない。
でね?お風呂はいってね?
湯上がりパンツ一丁でね?
ビール飲みながら、うちわでパタパタパタってあおいでいるのが好きなんだ。(^^
【金】そういうことするから娘に嫌われるんだよな。
そう。
【ALL】アハハハハ。(笑)
●金造さん●
私はやっぱり夏と言えば怪談話ですね。
・・・死後の世界の話をしましょう・・・。
【ALL】うぅぅ・・・
死後の世界・・・
あのよ~。(-o-)v
(あの世)
【ALL】くすくす(苦笑)
も、もう寒いですね!(^^;
この辺寒くなったところでまた来週~。(^o^)/
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