◆お芝居情報◆

【放送日】1999/11/11   【お芝居】鬼の目にも紅葉
配役出演者名

金太 桜 金造

和道 えなりかずき

三次 魁 三太郎

お重 重田千穂子

お由美 野川由美子

お詢 石原詢子

吟造 前田吟
お江戸でござる オリジナルソング
曲名みれん酒
作詞里村龍一
作曲水森英夫
石原詢子



●杉浦日向子のおもしろ講座●
江戸風俗研究家 杉浦日向子
補足 長尾武之介



◆本日の良かった点◆

●鬼と紅葉がセットだった。
鬼に紅葉というのは江戸の頃は付き物でして、江戸の人が見たら
「ああ、なるほど。いいテーマだ。」
と思われたと思います。

あともう一つ、鹿なのですが、鹿と紅葉と鬼というのは3点セットなのです。
紅葉と鹿は花札などでなんとなくわかりますね~。(^^;
それに鹿は鹿肉のことを紅葉、紅葉鍋とかっていいますからね。

鬼がセットなのは何故かというと・・・
その昔、平維茂(たいらのこれもち)さんという方が鹿狩りに行ったときに、そこの鬼が更科姫(さらしなひめ)という絶世の美女に化けて宴にさそったのです。
でもそれを見破りまして、逆に鬼を退治してしまったという話からきているのです。
平維茂(たいらのこれもち)が戸隠山で鬼退治した伝説は謡曲や歌舞伎の「紅葉狩」で知られる。
それで紅葉と鹿と鬼という3点セットになったのです。


●冒頭に風で飛ばされたお札
あれは角大師(つのだいし)という江戸時代のポピュラーな物なのです。
角大師(つのだいし)
病気をはじめあらゆる厄災を除く護符として各地で領布された。

たいていの江戸の民家の戸口に貼ってありました。
大変有名な護符なのです。




◆本日の間違い点◆

●今回の舞台の高尾山に鬼がいた
間違いと言っても魔物の話ですから
「鬼なんていない」
と言われてしまうとそれまでなのですが・・・
ご存じの方も多いと思いますが、高尾山は天狗様の本拠地なのです。
高尾山(東京都八王子市)には天狗にまつわる伝説が多い

ゆえに、天狗と鬼が仲良く共存できたかどうか心配とのことでした。


●大江戸紅葉狩り事情●

■紅葉の名所■
現在手元に資料がありません。
手に入り次第、掲載いたします。
二代広重画 「東都三十六景 瀧の川紅葉」

飛鳥山の風景です。
この川は音無川で、この上に王子の滝があります。
このあたりを瀧の川と呼びました。
で、全体の川は石神井川(しゃくじいがわ)です。

昔、この辺りを治めておりました豊島という殿様がおりました。
その殿様が紀州の地頭をしていたことがありまして、それでこの辺りには紀州の名にちなんだものを多いのです。
それを紀州出身の吉宗が懐かしがりまして、非常にこの地を愛したとのことでした。

ここは本当に紅葉の名所として親しまれた場所です。
他に名所としましては、北の下谷にあります正燈寺と南の品川にあります海晏寺、この南北2つが大変有名でした。
江戸市中の紅葉の名所
下谷の正燈寺(しょうとうじ)、品川の海晏寺(かいあんじ)

■紅葉狩りの楽しみ方■
現在手元に資料がありません。
手に入り次第、掲載いたします。
二代広重、三代豊国画 「江戸自慢三十六興海晏寺紅葉」

海晏寺境内の絵です。 奥に白帆が見えまして、太平洋です。
親子連れが紅葉見物にぶらっとでておりますね。

女性が何か手に持っていますが、これは煙管(きせる)です。
当時、女性の喫煙は大変されていたのです。

それから、後ろにお侍さんがいます。
紅葉見は春の早春の梅見と並びまして、文人墨客の好みとされていました。

品川にはこの海晏寺の近くに品川遊郭があります。
また北の正燈寺には、すぐ近くに吉原がありました。
共に、紅葉狩りを口実にただ通り抜けをして遊びにいってしまう庶民もたくさんいたそうです。(^^;
「紅葉などには目もくれず、ただ一目散に行ってしまう」わけです。
そして綺麗な女性の前では「自分が真っ赤に紅葉している」ということになります。
(杉浦先生、巧いことをおっしゃられますね!(^o^)/)

ということで、お花見とはちょっと楽しみ方が違うわけなのです。
でまた、8月には萩を見まして、9月に菊、10月に紅葉という事です。
江戸っ子の秋の楽しみ
八月・萩(はぎ)  九月・菊   十月・紅葉
でまた、10月は神無月と言いまして、神無し月なのです。
出雲に日本中の神様が集結してしまいます。
それゆえ鬼や天狗がのびのびとできるとの事で、紅葉の時期に鬼が現れやすいという事も言えるわけですね。(^^


【金:】
こうやって勉強していきますと、なんだかんだその口実をつけまして四季折々楽しむのがうまいですね~。江戸の人は。
【杉:】
とにかく何があっても飲めればいいという、それで満足するという楽しみ方ですね。

町中に行楽施設が大変充実したのが吉宗以降だということです。
平和を実感してもらうために、という事だと思います。
大変な名君だったという事でした。


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