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◆お芝居情報◆

【放送日】1999/09/16  【お芝居】人を見たら、狐と思え

配役出演者名
金太桜 金造
和道えなりかずき
三次魁 三太郎
お重重田千穂子
お景竹下景子
お洋長山洋子
二郎兵衛坂上二郎
元太高橋元太郎



●杉浦日向子のおもしろ講座●
江戸風俗研究家 杉浦日向子
補足 長尾武之介



◆本日の間違い点◆

●金太さんが命より大事な起請文の相手が品川大江広木瀬川という名前の遊女でしたが・・・
大江広木瀬川となってしまうと、れっきとした吉原の遊女になってしまいます。
品川は旅篭なので、普通の屋号になります。
桜屋とか、竹下屋とかですね。
また女性の名前も、お品とかお景とか当たり前の名前になります。

●鉄砲を勝手に撃っていましたが・・・
猟師は狩りをする時、
「いつ」
「どこで」
「このくらいの玉を持っていきます」
と、名主さんに言って許可をもらわなければ鉄砲を撃つことはできませんでした。
ですから、狐が出たからといって銃を持ち出してズドーン(笑)という訳にはいきません。

知っている方も多いと思いますが、よく「入り鉄砲に出女」と言いますよね。
江戸には、鉄砲を入れてはいけない・女は出てはいけないという事でしたが、とても厳しかったのでした。
(出女は、人質として江戸に住まわされている諸大名の女性達に対しての意味合いが主なのです)
特に市街地、王子のような人里近い所ではまず許可されないでしょう。

当時の猟師さん達の狩りの方法は、罠をしかけるのがほとんどでした。
後は待ち伏せして、弓矢などで獲物を捕るそうです。
今回の芝居の様に鉄砲でということをしてしまうと、重罪になってしまいます。



●大江戸妖怪事情●

■様々な妖怪達■
妖怪には、変化する妖怪と変化しない妖怪がいます。
今回の狐、狸、そして雪女、ろくろ首などは、普段普通の人のなりをしていて他の物に化けるため、変化する妖怪に入ります。
河童、天狗などは、変化しない妖怪に入ります。
アニメの世界だけでなく、昔からいた妖怪なんですよ。
ただ、妖怪というよりは化け物という言い方が一般的でした。

化け物の類はずぅぅっと前からあったそうです。
しかし、バラエティ豊かにいろいろな形の物が庶民に知られるようになったのは、江戸中期以降だといいます。
都市化が進んでからだそうです。
江戸の人口が増えるにしたがって、宅地造成が行われるようになり、自然破壊が起こるようになってきました。
(今の日本と同じですね。)
そうした所に住んでいた狸や狐が住処を奪われ、また餌が少なくなってきてしまい、人里に降りてくるようになってしまいました。
そうした中で、妖怪変化のようなものが頻繁に物語の中に現れてくるようになったのです。

■(質問)「金毛九尾の狐」って何ですか?
金色の毛と九本のしっぽを持つ狐です。
変化する狐の中でも頂点に位置します。
日本で知られている物語としては、鳥羽上皇に寵愛された玉藻前(たまものまえ)という絶世の美女に化けたのが九尾の狐であったとされています。
狐の化身・玉藻前は鳥羽天皇(近衛天皇とも)を虜にし、亡国をねらったという。

■(質問)今日の舞台は王子でしたが、王子には本当に狐はいたのですか?
王子には、沢山の狐が護られていました。
今回のお芝居でも
「狐はお稲荷さんの使い姫であるから、捕ってはいけない」
とありましたが、狐は使い姫として大事にされていたそうです。
逆に、新宿や四谷は狸の本場として知られていました。
麻布にも狸穴(まみあな)という地名が残っていますが、あのあたり一帯も狸の名所(笑)でした。


■様々な妖怪達2■
現在、手元に資料がありません。
見つかり次第、掲載いたします。
秀斎画「後鳥羽法王夢中にあわられる妖怪の図」

これは妖怪変化を描いた六枚つづりの錦絵です。
大変膨大な数の妖怪が描かれています。
(拡大図)
端には琴や琵琶などの妖怪が・・・。
(拡大図)
こちらにも(しょう)の妖怪が。
(拡大図)(拡大図)
こちらには雀や木菟(みみずく)もいます。
多種多様なものが、みんな一斉にに化けているというものです。

器物の妖怪は
「物を粗末にすると化けて出るぞ」
という戒めにもなっているのです。
子供の教育にも使われていて、かるたにもなっています。

現在、手元に資料がありません。
見つかり次第、掲載いたします。
小信画「妖怪かるた」

ろくろ首やお釜のお化けなどありますね。
こういった物で子供たちは遊んでいました。

本などにもいろいろ描かれています。
中でも滝沢馬琴は妖怪をヒーローとして描いて、人気者でした。
滝沢(曲亭)馬琴(たきざわばきん)(1767~1848)
江戸後期の戯作者。
完成に28年要した大作「南総里見八犬伝」で有名

歌舞伎芝居にも、土ぐもや児雷也(じらいや)などの変化物があります。


後は、百物語というのもありますね。
これは庶民の夏のレジャーだとか。
何人かが集まって、夏の夜に恐い話を百話していくのです。
その時に、暗い部屋の真ん中に灯芯を入れた油皿を入れておきます。
一話話し終えるごとに一本ずつ引き抜いていきます。
だんだん暗くなって百話で真っ暗になった所で、妖怪が現れるという事が信じられています。
たいていは、やっぱりみんな恐いので、
「九十九話の寸止め」
という所でやめちゃうんですけどね。(^^;
百話してしまった場合、後日、何か不幸があった時に
「あの時、百話まで話してしまったからではないか」
と後悔するのを恐れたのでしょう。

百物語は杉浦先生も漫画として描いておられます。
一度、目を通してみてはいかがでしょうか?

●上原漫画 上原道場妖怪騒動●


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