照明に使う油、ろうそくといった物はとても高価でした。
なかなか庶民の手には届きにくく、豊かになった江戸後期でも大切に使われていました。

「冬の夜の縫い針」
『
江戸府内 絵本風俗往来』より
(菊地貴一郎、青蛙房、p301、S55/09/25)
夏の間は日照時間が長いです。
しかし、冬になると昼間の日照時間が短くなってしまいます。
それゆえ、お日様が出ている間にすませることが出来た仕事も、冬になってしまうとどうしても夜なべにまで持ち越されてしまう・・・
そのような時に行灯(あんどん)に火を入れて、縫い物をしているという絵です。
この絵には「冬の夜の縫い針」というタイトルがついています。
夏にはお日様の光によって出来た仕事が、冬にはこういった
行灯の力を借りなくてはいけないということです。

「お正月の夜のかるた取り」
『
江戸府内 絵本風俗往来』より
(菊地貴一郎、青蛙房、p204、S55/09/25)
もう一つの絵は「お正月の夜のかるた取り」といいます。
蝋燭
(ろうそく)の燭台が立っています。
丸行灯、遠州行灯といいます。
これは有名な
小堀遠州が考案したとされている行灯です。
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小堀遠州(こぼりえんしゅう)
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江戸前期の茶人。
三代将軍家光の茶道指南をつとめた。
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行灯と蝋燭、二灯立てと言いまして、大変贅沢な事です。
これはお正月だからこそ許された華やかな夜というわけなのです。
特に、中心にある
蝋燭が高価なのです。
百目蝋燭(ひゃくめろうそく)と言われる、絵にあるような蝋燭のちょっと太い物が一本200文でした。
(当時、そば一杯16文ですからね~。結構な値段です!)
つまり、そのぐらい高価だったので滅多に使いません。
右側の絵の中の行灯の明るさはだいたいですが、
60ワット電球の百分の一だそうです。
目が慣れないと見えないそうです。
私たち現代人ですと、
新聞くらいの活字だと読むことができないくらいの明るさだそうです。
(武之介は部屋を真っ暗にして、
行灯で本を読もうと試みたことがあります。
「裁縫」の絵にあるように、
障子をあけて直接火にあてないと、暗くてとても読めませんでしたね。)