◆お芝居情報◆

【放送日】2000/2/17   【お芝居】火のない所に立つ煙」

配役 出演者名
金太 桜 金造
和吉 えなりかずき
三次 魁 三太郎
お重 重田千穂子
お八重 水谷八重子
お藤 藤あや子
次郎兵衛 坂上次郎
松造 瀬戸陽一郎
梅吉 能見達也
お江戸でござる オリジナルソング
曲名恋夢語
作詞小野 彩
作曲小野 彩
藤あや子
お江戸でござるCD
発売中です!



●杉浦日向子のおもしろ講座●
江戸風俗研究家 杉浦日向子
補足 長尾武之介



◆本日の間違い点◆

●根元からいきなり切ってしまう様な植木屋さん
いきなり松を根元から切ってしまう様な植木屋さんは江戸にはいません
というのも、江戸は修行が特に厳しい町として有名だったのです。
それゆえ、いくらそそっかしくてもあれはないでしょう。(^^;

●経営不振で油問屋が潰れてしまったこと
●リストラされてしまった奉公人
油、米、酒、薪、炭といった日常生活に密接した問屋は、非常に組合がしっかりしておりました。
まず、いきなり潰れることはありません
お互い助け合って持ち直させます。
更には、経営コンサルタントの様な人がその経営不振の店に入り、テコ入れをしていきます。
余程のことがないがぎり、お芝居で起きた様な事はおきません。
(よっぽどの事がないと、経営不振でつぶれる事はなかった)

もし潰れた場合にも、潰れるという事ではありません。
経営者を交代するという事になるのだそうです。
つまり、株の譲渡という事になるのです。
その場合は、従業員も一緒に譲渡されることになります。
余程ひどい従業員の数名がリストラされるだけで、他の人はそのまま働くということになるのです。
(今回のお芝居だと金太さんや三次さんがリストラの危機にあっていたかもしれませんね。(^^; )


●大江戸園芸事情●

■江戸の植木鉢■
お八重さんの別宅には、見越しの松や庭にあった灯籠(とうろう)や植木、黒板塀の前に並んでいた鉢植えが並んでいました。
江戸の方達は植物好きで、世界的にも有名でした。
現在、手元に資料がありません。
見つかり次第、掲載いたします。
国貞(3代豊国)画 「江戸名所百人美女 かやば町」

これは歌川国貞が描いた茅場町の薬師様あたりの若女房です。
右の花は行商の植木屋さんが担ぐ物です。
平らな台に植木鉢をのせて、町の辻辻を売り歩きます。
ここには、『なんてん』『松』『万年青(おもと)の様なものが見えています。

この女将が持っている鉢は、室咲きの梅と福寿草を寄せ植えしたものです。
室咲きとは室内栽培のことです。
絵を見れば分かりますが、描かれている鉢は染め付けの大変綺麗な植木鉢です。
当時は、
『鉢と鉢から上の値段が同じ、もしくは以上』
というような大変凝った物が作られていました。

鉢もひっくるめての一品であったわけです。
■盛況な植木市■
薬師堂の植木市
江戸名所図会 上巻1』より
(鈴木棠三・朝倉治彦校注、角川書店、P172-P173、S50/1/10)

こちらも同じ薬師様で行われる植木市です。
様々な鉢が並べられておりますが、よく見てみると面白いのがいくつか見えます。

●サボテンの鉢
江戸時代のサボテン
●アロエの鉢
江戸時代のアロエ

これらはどう考えても日本産の物ではありませんね。
このように輸入物の外来種もたくさん売られていました。
この絵の中の植木市も大変賑わっておりますが、どの市も同じように賑わっていました。
毎日、どこかの門前や境内ではこのような植木市が開かれております。
それゆえ、植木好きは毎日通う事が出来ました。

なぜそのような盛り上がりを見せたのか・・・なのですが、きっかけは「葵~徳川三代」にあります。(^^
初代・徳川家康公が、こういった植物が好きでした。
二代・秀忠公も大好きでして・・・
更に輪を掛けたのが三代・家光公でした。
吹き上げ御殿をお花畑にしてしまい、たくさんの植木や鉢を並べて楽しんでいたそうです。
あまりにも珍しい大変高価な物ばかりだったそうです。
そのため、その花の管理の為だけに新たに7人もの監視役人を雇ったほどでした。

非常に熱心でありまして、特に愛玩されたのが「手のひらに乗るぐらいの名木の小さな松」でした。
何と
『寝るときも自らの箱枕の引き出しの中にその松を入れて寝るほどだった』
そうです!!(゚o゚)
あまりにものめり込みすぎたので、それを戒める為にかの大久保彦左衛門が愛玩の一鉢を割って諫めたことがあります。
ですが、それでもおさまらなかったそうです。
大久保彦左衛門(おおくぼひこざえもん)
戦国以来の徳川家臣。
武士道精神にあふれ、家光が好んで話を聞いたという

更には五代・綱吉の時に生類憐れみの令で釣りが禁止になってしまったことも、園芸が広まった原因でもあります。
釣り竿などをしまって、武士も庶民も盆栽や植木鉢を愛でるようになってしまったのです。

200冊をこえる園芸指南書が発行され、どれもベストセラーになりました。
図会入り、解説入りで、育て方、鑑賞法などをちゃんと仮名までふって書いてあったそうです。
それゆえ、お年寄りから種屋の小僧さんまで、そういった本を読むことができました。
ゆえに、その辺の小僧さんに難しい園芸の質問をしても即答したと言う程、指南書が愛読されていたのでした。
■江戸時代でも行われていた品種改良■
長年の経験と職人のカンで、品種改良は行われていました
非常な情熱がかけられていたという事ですね。

その品種改良の中でも、御留花(おとめばな)という門外不出の花の品種の改良には大変な熱がこもったということです。
御留花(おとめばな)
各藩が独自に品種改良した門外不出の花

庶民の方でも小さな植木を愛でるという事は、当時、世界的にも珍しい事であったらしいです。
幕末に来日した外国人が
『我が国では花を買うお金があったらパンを買う。だが、江戸の貧しい人々は花を買う。何て文化水準の高い国であろう。』 と言ったそうです。

●出演者への質問●

【質問:】江戸は緑にあふれていたという事ですが、皆さんは何かやってますか?

●藤さん●
子供の頃から、球根で買ってきて・・・チューリップを植えたり。
育っていくのが凄い楽しみだったんですけれども・・・。
最近ファンの皆様からいただいた鉢を大事に育てています。
●能見さん●
僕は家で花じゃないんですけれども・・・サボテンを置いてあります。
【杉】サボテンは人と交流ができる植物ですよね。
ええ。くれた友達がサボテンはよく話しかけるとイイって。
【杉】ええ。「ただいま」とか「行ってくるよ」っていうと生き生きしますね。
でも一人暮らしでそれをやるのはチョット・・・
【ALL】(笑)(^o^)
【金】できればサボテン以外に話し相手が欲しいものですね~。
●瀬戸さん●
いや、僕は得には・・・
【金】何もないの?
はい。
【金】あれ?観葉植物とか・・・
はい。そうですね~、無いですね。
僕は植物よりも食物の方がいいですね~。(^^
【ALL】(笑)(^O^)
【金】ああ、なるほど~。
●坂上さん●
私はね~・・・あんまりそういうのには興味ないね。
どっちかって言うと、草むしり専門なもんだらか。
【ALL】(笑)(^o^)
それだから、咲いた花でもむしっちゃうんです。
【ALL】(爆笑)(^0^)/アハハ
だから、後で女房に怒られるんですよ~、あたしが植えた花だったのにって。(^^;
気が付かなかったよ。
花が咲いていないと草だし・・・
●えなり君●
僕は舞台の時にいただく胡蝶蘭とかですか・・・
【ALL】へぇ~(゚o゚)
後はいろんな俳優さんが舞台の所に置いていくんですよね、持ってかえらないで。
それを家に持って帰りまして。(^^;
【ALL】(笑)(^o^)
で、最初は20個ほど持って帰ったのですが、あの~水あげ過ぎちゃったりして腐っちゃって・・・
【坂】あれはやっぱりきちんと手入れしなきゃダメ?
ええ、そうなんですよ~。
で、2年間育てて1個だけ咲いたんですよ!
あの1本はとてもうれしかったです。
●杉浦先生●
私は無精もんですからから・・・えのころぐさとかペンペン草とか・・・
【ALL】(笑)(^o^)
ああいった物が好きです。
●水谷さん●
私ね、華岡青洲の妻っていうお芝居をやっている時に小道具さんが作ってくれる曼陀羅華という花を見てたんですけど・・・
それのね、本物を見てみたいなぁ~って思っていたら、お客様が一輪を鉢に植えて持ってきて下さって・・・
毎日見ていたら、もうラッパみたいな綺麗な白い丸い花がポォーンと咲いて・・・
【ALL】はぁ~(゚o゚)
【金】見たことないですね~。
●魁さん●
私はアサガオってのが好きなんですよね。
【金】浅草ですからね。
うん!アサガオのあのふぁ~って咲いていく所、あれは未だに思い出しますね。
【金】魁さん所、それこそたくさんの市がたつでしょ。
そうそう。
でね、下町ってのは庭がないから、道路が庭になっちゃうんですよ。
【金】あ~、路地に入るとね。
そうそうそう!!道路が庭でね。
そこに今でも家でもそうだよ、鉢がいっぱい並んでいる。
本当に迷惑かけているんじゃないかっていう程にね。
どこの家でもみんな道路が庭になっているよ。
【金】それを子供の頃は割って怒られたりね~。
【ALL】(笑)(^o^)
怒られたな、うん!怒られた。(^^
●金造さん●
ほんとに玄関にも一輪でいいんですよね、食卓とかにも。
一輪あるだけでだいぶ心が和やかになると思うんですけどね。
江戸の人に見習って花を愛でる気持ちを大事にしたいな~って思いながらまた来週~(^o^)/
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