
「小間物売り」
『
近世風俗志(一)』より
(喜田川守貞著、宇佐見秀機校注、岩波文庫、P267、1996/5/16)
(※「小間物売り」となっておりますが、文中に「貸本屋もこれに似ている」とあるため引用)
貸本屋さんです。
今回の浩介さんの様に、自分の背丈よりも高く積んで、いろいろな種類の本を商っておりました。
貸本屋さんは、今で言う貸しビデオ屋さんです。
それゆえ、
借り手がいないからと言って返品はできません。
貸本屋さんは自分の目利きでもって読者の好みに合う本を購入します。
もしその目利きが間違っていた場合は、自分が損をしてしまうわけです。
年月が経ったり、またどうしても人気がなく借り手がいなくなってしまった場合は、かなり値を下げて安く売ってしまいます。
また、貸本屋さんによって、それぞれ
得意ジャンルが違ったそうです。
ミステリー物だったり、サスペンス物だったり英雄物だったり「里見八犬伝」のようなちょっとお堅い「読み本」系だったり・・・
でももちろんそれだけを扱った訳ではなく、今で言う「R指定」といった色恋物の本も取り扱っていたのです。
なんでも、本積みの下の方に忍ばせてあったそうで。(^^;
これで客の興味を惹いたりもしたそうです。
さて、たくさんの本の中からどれを借りるか?となるとちょっと迷ってしまう所です。
そこは貸本屋さんの方でもわきまえているらしく、「好きなの選べ」という売り方ではありませんでした。
お客の好みを把握していて、
物語の良い場面の所を開いたりしてあらすじを読んで聞かせたりしました。
今で言うと映画の予告編みたいな感じだそうです。
その貸本屋さんは、三日に一度くらいの割合で来ます。
その時に本を返したりする訳ですが、返却延長などを望む場合は延長料金を支払います。
また、返す時に本に何かしらの不備(シミなどの汚れ、破れ、いたずら書き等)があった場合は、その分の追加料金を支払うことになります。